城郭研究家と行く!
マニアックな長浜城郭巡り

滋賀県・長浜城は、秀吉ゆかりのお城。「秀吉」をテーマに450年経った今でも長浜の城下町に残る痕跡を城郭研究家・本岡さんのお話しを聞きながら巡ってきました。そういった観点で長浜を巡ることは無かったので新鮮な経験かつ、「ちょっと誰かに言いたい。」そんな長浜の知識が増えたように感じます。

 

JR長浜駅

■ 秀吉と三成出会いの像
JR長浜駅東側ロータリーには、秀吉と三成出会いの像があります。三成が、観音寺で修行をしていた時のこと、秀吉が鷹狩りの途中に立寄り、三成がお茶を出す。一杯目はぬるめのお茶を、二杯目は少し熱めのお茶を、三杯目は熱めのお茶を、その心くばりを気に入った秀吉が三成を家臣にするというエピソードの像。ここから約6kmのツアーがスタートです!

■ 長浜城歴史博物館
現在建っている長浜城は絵図が残っていないことから、犬山城や伏見城をモデルに模擬復元されたものになっているそうです。城内は長浜城歴史博物館となっていて、秀吉や、長浜の城下町に関する資料が展示されています。最上階まで登ると、四方を見渡すことができます。西側は目の前に琵琶湖が広がり、湖城であったということが伺えます。

北国街道沿いにある境界石

北国街道沿いにある境界石

本願寺長浜別院の庭

本願寺長浜別院の庭

■ 現存する450年前の4つの境界石
秀吉が長浜城主になった際とった優遇措置の話が面白く、町の活性化の為に長浜城下の一部のエリアでは税を免除されたそうです! そのエリアの境界には、境界石という石が建てられ、なんと現在もレプリカの中に4本だけその当時からの境界石がほぼ450年前と同じ位置に建っているのです!レプリカのものと比べると、風や雨水などで石が削られたと思われる年季の入った 境界石が!

知善院の山門

知善院の山門

豊臣秀吉の木像

豊臣秀吉の木像

■ 知善院
特別に豊臣秀吉の木像を見せて頂きました。なんとコチラは、大坂城落城時に持ち出されたというもの。また、山門は長浜城の裏門(搦手門)を移築したものという伝承があります。本岡さんのお話で印象的だったのが、お城の裏門なのに、格子というのが珍しくお城の中が丸見え状態。確かに、長浜城の警備面は大丈夫だったのかと不安になるデザイン。

大通寺台所門

大通寺台所門

大手門があったとされる場所

大手門があったとされる場所

■ 大通寺の台所門
長浜城大手門を移築したものが、現在の大通寺台所門。扉金具に天正16年と書かれていることから、大手門だと推測できるそうです。

■ 大手門跡
現在は交差点になっている場所に、かつて長浜城の大手門があったと言われています。その理由として、長浜城の構造が門から真っ直ぐ入るのではなく、斜め左に曲がってから、入っていくというもので、その痕跡として、現在その地にある駐車場が三角形になっています。

    秀吉が祀られた神社<br>
    (境内に建てられている羽柴秀吉公像は<br>2023年10月の新しいもの)

秀吉が祀られた神社
(境内に建てられている羽柴秀吉公像は
2023年10月の新しいもの)

長浜のまちの水路はかつての長浜城の外堀

長浜のまちの水路はかつての長浜城の外堀

長浜の町は、水路が張り巡らされており、水路に面して、石垣の基礎の上に建物が並んでいる光景が印象的。中には当時のものと思われる石垣があったりと、そういったお話を聞きながら巡ると見方が変わってきます。450年前、秀吉が一国一城の主となり民衆と共にまちづくりをし、発展した長浜。秀吉が神格化された豊国神社からは、まちの人たちの秀吉への敬愛を感じました。

今回の旅人:ほりい みほ
ガイド役:本岡勇一(城郭研究家)

長浜城郭巡りのコース

長浜城郭巡りのコース
① 秀吉と三成出会いの像
② 長浜城歴史博物館
③ 長浜城の遺構類
④ 太閤井戸
⑤ 現存する境界石
⑥ 妙法寺
⑦ 大通寺台所門
⑧ 知善院の山門
⑨ 武者隠れの道
⑩ 安藤家
⑪ 下村家跡
⑫ 増田長盛屋敷跡
⑬ 吉川家跡
⑭ 大手門跡
⑮ 豊国神社